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財産の賞味期限

彫金の仕事が終わってから、さっきまで、家業の書類を書いていました。

うちの実家は塗装業を祖父の代から営んでいて、父が病で現役を退いてからは、母と職人さんが中核となり、私はパソコン・書類関係の雑務をこまごまと手伝っています。
もうすぐその状態から二年が経とうとするのですが、なんとか仕事も途切れずにやってこれました。

今夜は、昔からのお得意様からの仕事の納品請求書を書いてたわけですが、
母がぽろっと言う。
「○○さん(お得意さん)が、早く社長(父)に早く良くなって欲しいって。
まだ、○○君(職人さん)では、話がしにくいし・・・って」

うちの父は、私が言うのは何だけど、見るからに経営者タイプの人でした。
どっしりしていて、声が低く大きくて、そして、見るからにこわそう(笑)。
昔のドラマの寺内貫太郎みたいな風貌です。
だけど結構ユーモアもあるし、おおらかな性格で、安心感を与えてくれる。

例えば私が小さい頃に家族旅行へドライブしたときに、
道に迷い気がつけば森の中の泥道を走っていた時ですら
「お父さんがいれば大丈夫」って車内の誰しもが思うような人です。
(道に迷ったのはお父さん以外の誰でもないんですけどね)
※実話です。


まだ父がバリバリ仕事をしていたときにも、お手伝いで書類を書いた事がありました。
その時に、父の書いていた見積書に目を通したのですが、
美しかった、の一言です。

上手くは表現できないのですが、無駄のない内容・揃った字。
文字が綺麗とかそういう事ではなく、
もともとは不器用で、だけどこれしかないと覚悟をきめた仕事に架ける
きちん、とした思いが表れていて
その時初めて心から父を尊敬しました。


それからもう10年ぐらいが経とうとします。
我々には、形になるものはあまりないけれど、
今でも父を思い仕事をまわしてくれる人たちがいる。
冷え込んだ建築業界でなんとかやっていけてるだけでも奇跡で、
これこそが、父の財産だったんだな。
と、もう遅いかもしれないけれど今更ながら感じる毎日です。

バトンを引き継いだ私達も、不器用なりに覚悟を決めないと。


エンジェルリングも、そうですよね。
師匠の財産を期限切れにすることなく、
いろいろな可能性を生み出して行きたいなと改めて思いました。

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